インタープリタとコンパイル言語の守備範囲と長所・短所について解説
2023年05月08日
IT(技術/活用)
プログラミング言語は、変換形式の違いから「インタープリタ言語」と「コンパイル言語」の2種類にわけられます。
これらはどのような違いがあるのか、本記事では、インタープリタ言語とコンパイル言語の対応範囲や長所・短所について解説します。
インタープリタ言語とコンパイラ言語の違い
はじめに、インタープリタ言語とコンパイル言語、それぞれの概要と言語例を通して、両者の違いについて見ていきます。
インタープリタ言語とは
インタープリタ型言語は「逐次翻訳型」と呼ばれる方式で、ソースコードを1行ずつバイナリコードに翻訳してプログラムを実行するプログラミング言語です。
コードを1行ずつ翻訳しながら実行することから、コンパイラ(ソースコードをバイナリコードに一括して翻訳すること)が必要なく、少ない手間でプログラムを実行できます。また、プログラムを実行しながらソースコードの修正が可能なため、開発時の修正が容易なことが特徴です。
コンパイラ言語とは
コンパイラ言語は「一括翻訳型」と呼ばれる方式で、ソースコードをコンパイラ処理でバイナリコードに一括翻訳し、プログラムの処理を実行させるプログラミング言語です。
コンパイラ型言語は、ソースコードをまとめて一括してバイナリコードに変換するためプログラムの実行速度は早いものの、コンパイラが終わるまでエラー発生がわかりません。そのため、ミスを見つけるのに時間がかかり修正が難しいことが特徴です。
インタープリタ言語の例
インタープリタ型言語の例としては、HTMLやCSS・Ruby・Python・JavaScript・PHPといった言語が挙げられます。
インタープリタ型言語は、Webアプリケーションの開発に用いられることが多くあります。Webアプリケーションは頻繁にコードの修正が求められることから、インタープリタ型言語が使われることが多いです。
コンパイラ言語の例
コンパイラ言語の例には、Java・C++・Objective-C・Go・swiftといった言語があります。
コンパイラ言語は、業務システムやスマホアプリなど、プログラムの更新が容易に行えないプログラムの開発に使われています。
インタープリタ言語の長所と短所
インタープリタ言語の長所と短所には、次の点が挙げられます。
- ・作成したプログラムの実行結果をすぐに確認できる
- ・デバッグしやすい
- ・実行速度が遅い
インタープリタ型言語は、記述したコードを1行ずつ翻訳し実行するため、目視で画面の表示を確認しながらプログラミングを進められます。また、プログラムの作成途中でもその場でエラーを確認できるため、デバッグをすばやく行える点もメリットです。
その反面、プログラムの実行速度は遅いため、処理速度の速さが求められるシステムには向いていません。
コンパイル言語の長所と短所
コンパイル言語の長所と短所には、次の点が挙げられます。
- ・プログラムの実行速度が早い
- ・プログラム実行に手間と時間がかかる
- ・デバッグがしづらい
コンパイル型言語は、プログラミングが完了したファイルをコンパイルしてまとめて変換するため処理速度が早まります。
一方で、コンパイルを行ってバイナリコードに変換しプログラムを実行するという流れになるため、実行までに手間や時間がかかります。
また、プログラムが完成するまで実行結果を確認できないため、まとめてエラーに対応する必要があり、デバッグしづらいこともデメリットです。
まとめ
インタープリタ型言語とコンパイル型言語には、それぞれ異なる特徴があり、適した使用場面が異なります。
開発の際には、デバッグのしやすさやプログラムの実行速度などを考慮し、用途や目的に適した言語を選択する必要がありますが、インタープリタ型言語とコンパイル型言語の特徴や違いを理解しておくことで、使い分けしやすくなるでしょう。